本作の原作は、直木賞作家・高橋克彦がライフワークとして執筆した大河小説『炎立つ』です。高橋氏は東北人の視点から歴史を捉え直し、朝廷中心の歴史観に一石を投じました。その壮大かつ緻密な筆致を、脚本の中島丈博が骨太な人間群像劇へと昇華させています。
また、放送形態における最大のトピックが「全35回・3部構成」という変則的なスケジュールでした。これは当時、NHKが試みた「大河ドラマ2年3作体制」(『琉球の風』『炎立つ』『花の乱』をそれぞれ約9ヶ月ずつ放送する実験的編成)によるものです。
通年の50回枠と比べて短縮されたことで、無駄な引き延ばしを削ぎ落とした濃密な構成が実現しました。前九年の役、後三年の役、奥州合戦という3つのクライマックスへ向けてテンポ良く物語が加速し、大河ドラマ史上でも類を見ない密度の高いドラマツルギーを生み出す結果となったのです。