私たちが日常で何気なく使ってしまう「頑張れ」というフレーズ。実は、すでに限界まで努力を重ねて倒れかけている人にとっては、追撃の一打になりかねません。日本カウンセリング学会などの専門機関が提示する臨床ガイドラインでも、相手のエネルギー状態に応じた適切な声かけの重要性が指摘されています。
カウンセリング現場で特に回避すべきとされるNGマナーには、明確なパターンが存在します。ひとつは「私なんて昔もっと大変だった」という自身の苦労話へのすり替え。もうひとつは「もっとポジティブに考えようよ」という感情の否定です。これらは一見前向きに見えて、相手が抱く悲しみや怒りを「無価値なもの」として切り捨てる行為に他なりません。
本当に必要なのは、相手が吐き出したネガティブな感情をありのまま受け止める「傾聴」の姿勢です。「それは辛かったね」「そう思うのも無理はないよ」と、感情の存在そのものを認める言葉をかけることが、傷ついたメンタルヘルスの回復に向けた第一歩となります。