行司の最高峰に位置するのが「立行司」である。代々受け継がれる名跡である木村庄之助と式守伊之助のふたりは、横綱の取組を裁く唯一無二の存在だ。彼らに支給される報酬の中で大きな割合を占めるのが「格付手当」と呼ばれる特別な支給金である。
木村庄之助と式守伊之助には、月額の基本手当に加えて破格の格付手当が加算される。この手当は、土俵上での絶対的な権威と、万が一差し違えた場合には短刀を差して覚悟を示すという極限の責任に対する対価でもある。立行司の推定年収は1500万円から2000万円近くに及ぶとされ、これはスポーツ界の審判員としてもトップクラスの待遇だ。
しかし、この領域に到達できるのは、数十年にわたる厳しい修行を勝ち抜いたごく一握りの人間のみ。若き日に相撲部屋へ入門し、半世紀近く土俵に捧げた者だけが手にする特別な報酬と言える。