この概念が果てしないスケールで結実した最たる例が、宇宙科学のフィールドだろう。NASA(アメリカ航空宇宙局)が挑んだマーズ・サイエンス・ラボラトリーミッションにおいて、赤い惑星へと送り込まれたのがキュリオシティ(火星探査車)だ。
全米の若者たちの公募から命名されたこの無人探査機は、古代の火星に水が存在し、微生物が存在し得る環境があったか否かを検証すべく、ゲール・クレーターの過酷な大地を走り続けてきた。岩石を削り、成分を分析する地道なオペレーションは、まさに人間の知的好奇心を行動に変換した象徴と言える。こうした国家主導の壮大な試みは、近年目覚ましい成長を遂げる宇宙開発産業全体の技術革新や投資を呼び込む強力な触媒となった。