本来、日本放送協会(NHK)が手がける教育番組といえば、明朗で安全、かつ学習効果の高いコンテンツが主流とされてきた。しかし『ピタゴラスイッチ』は、思考力を育むという目的のもと、従来の枠組みを次々と壊していった。その最先端に位置していたのが本作品だ。
アニメーション制作の現場においても、商業アニメのような派手なエフェクトや感情豊かなキャラクター表現はあえて排除された。ミニマルなフレームワークとコマ撮りのような独特のフレームレートが、視聴者にどこか現実から離脱したような感覚を与える。子供騙しの優しさを拒絶し、美学として成立させた制作陣の実験的精神には脱帽するしかない。