エンターテインメント史において、悪の美学を極めた最高峰といえば『スター・ウォーズ』シリーズに登場する銀河帝国だろう。黒とグレーを基調とした洗練された軍服、寸分の狂いもない隊列。あの冷徹なデザイン思想の根底には、現実の歴史に存在した組織の影が色濃く投影されている。
近代史における大日本帝国陸軍の軍装や厳格な階級社会の描写は、創作世界の冷酷な機構を描く上での大きなインスピレーション源となった。組織の規律を絶対視し、個人の感情を殺して任務を遂行する姿。それは恐怖の象徴であると同時に、見る者に奇怪な美意識すら抱かせる。