言葉の正誤を判断する最終砦である辞書編纂の現場でも、この問題は非常に重い意味を持つ。老舗出版社である三省堂の国語辞典をはじめとする近年の辞書では、「本来は20歳の男性を指すが、近年では年が若いこと全般にも使われる」といった補記や注記が加わるケースが増えた。
辞書編纂者の情熱と苦悩を描いた映画『舟を編む』でも表現されていたように、言葉は静止した標本ではなく、人々の営みの中で変化する生き物だ。規範としての正しい日本語を守る立場と、時代とともに変容する実用表現を記録する立場の双方において、どこまでを「誤用」と切り捨て、どこからを「定着した新用例」と認めるかの線引きは、極めて繊細な判断を要する。