さらに切実なのは、セキュリティ上の境界線だ。外見から中身が一切判別できない構造は、防犯カメラや従来のセキュリティゲートの概念を根底から揺さぶっている。駅の改札や空港の保安検査場では、すでに広帯域ミリ波スキャナーを用いた新たなプロトコルの導入が急ピッチで進む。
一方で、肌に密着する場所に個人デバイスや機密データが常駐することへのサイバーリスクも指摘されている。薄型アンテナを介したスキミング犯罪や、近接通信を悪用した不正アクセス。肉体と荷物の距離がゼロになった今、セキュリティの攻防は「持ち物」ではなく「肌着の数ミリ外側」で繰り広げられている。