この世代の心の機微を、映画やドラマといったカルチャー作品が見事に映し出している。映画『PERFECT DAYS』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した役所広司が演じた役柄は、日々の平凡な清掃作業の中に深い充足感と美を見出す姿で大きな共感を呼んだ。贅沢や名声を追うのではなく、ささやかな日常を愛おしむ美学。それが同世代の心を揺さぶっている。
一方で、映画『終わった人』に出演した佐藤浩市のような実力派俳優が見せる重厚な演技も、定年後の葛藤と葛藤の先にある再起を描き出し、大人の観客を引きつけて止まない。かつての栄光と現在のギャップに苦しみながらも、自分の居場所を模索する男たちの泥臭くも愛おしい姿は、まさに今の現実そのものだ。