日本社会を根底から揺るがした森友学園公文書改ざん問題。官僚機構の保身のために公文書が書き換えられ、現場の職員が命を落とすという痛ましい事態にまで発展したこの事件は、財務省という組織の闇を白日の下に晒した。
籠池氏の俳句に漂う独特の悲哀と怒りは、この巨大な公文書改ざんという歴史的事実と切っても切り離せない。組織の都合によって真実が捻じ曲げられていく恐怖。その構造を体験した者だけが持つ視線が、季語の裏側に潜む影となって作品全体を覆っている。彼は声高に抗議する代わりに、短い言葉の響きの中に官僚機構への批評を封じ込めたのだった。