2013年版『家族ゲーム』の魅力は、一見すると裕福で絵に描いたようなエリート一家「沼田家」が、家庭教師・吉本荒野の介入によって内包していた歪みを暴かれ、音を立てて崩壊していくスリリングな人間関係にあります。武藤将吾の緻密な脚本によって描かれた各登場人物の役割と、キャスト陣の相関関係を整理します。
【沼田家の家族構成と配役】
・吉本荒野(よしもと こうや)/櫻井翔:沼田家にやってきた謎の家庭教師。「東大合格率100%」を謳いながら、常軌を逸した暴力や脅迫、心理操作を用いて一家を追い詰めていく。
・沼田茂之(ぬまた しげゆき)/浦上晟周:沼田家の次男。中学3年生で深刻ないじめに遭い、部屋に引きこもっていたが、吉本の過激な指導によって立ち直りと葛藤を経験する。
・沼田慎一(ぬまた しんいち)/神木隆之介:沼田家の長男。県内トップの進学校に通う秀才で、家族の誇りだったが、内面には強い承認欲求と冷酷な悪意を秘める。吉本の正体を暴こうと独自に調査を始める。
・沼田一茂(ぬまた かずしげ)/板尾創路:一家の大黒柱。大手化学メーカーの人事部長を務めるが、傲慢で家庭を顧みず、保身ばかりを考える父親。
・沼田佳代子(ぬまた かよこ)/鈴木保奈美:一茂の妻。近所付き合いや世間体を極度に気にし、ネットの株取引にのめり込んで家庭を崩壊させる引き金を引く母親。
【物語の鍵を握る重要人物】
・浅海舞香(あさみ まいか)/忽那汐里:慎一に近づく謎の女子大生「水川沙良」として登場するが、その正体は吉本の協力者であり、過去に深く関わっていた重要人物。
・本物の吉本荒野/忍成修吾:過去の学校現場で陰湿ないじめを行い、ある生徒を自殺未遂に追い込んだ元教師。
それぞれが仮面を被り、互いに本音をぶつけ合うことのない冷え切った家庭に、吉本という強烈な異分子が入り込むことで、嘘で塗り固められた関係性が劇的に解体されていきました。