エヴァンゲリオンという巨大IPの足跡を語る上で、制作母体の移行は避けて通れない。1990年代、ガイナックスの手によって産み落とされた原初のエヴァは、予算不足や制作スケジュールの逼迫というカオスの中で、奇跡的な閃きと熱量によって形作られた。当時のスタジオは、まさにクリエイターたちの剥き出しの情熱がぶつかり合う実験場だった。
その後、庵野秀明が自ら立ち上げた株式会社カラーへと制作のバトンが渡される。新劇場版シリーズでは、劇的なデジタル技術の進化と緻密な演出統制のもとで、キャストへのディレクションもより高度に洗練されていった。荒削りな熱狂から、完璧主義に裏打ちされた構築美へ。SFアニメの地平を塗り替え続けたこの変遷は、声優陣にとっても自身の演技論を根底から再構築する長い旅路だった。