『COVERS』の魅力を語る上で欠かせないのが、忌野清志郎のもとに集結した破格の参加アーティスト陣である。世界的なシンセサイザー奏者であり作曲家の坂本龍一をはじめ、海外からはジョニー・サンダースら、ロックやクラシックの枠組みを超えた一流のミュージシャンたちがスタジオに顔を揃えた。
レコーディング現場では、緊迫感と純粋な音楽的歓喜が同居していたと伝えられる。坂本龍一はキーボードの演奏にとどまらず、作品が持つメッセージの重要性を深く理解し、制作に全面協力した。過激な政治性を帯びた歌詞の裏で、極めて洗練されたポップソングとしてのクオリティが保たれたのは、これら稀代の表現者たちが共鳴し合った熱量があったからにほかならない。