撮影現場で生まれた親密さは、やがて「お兄ちゃん」という特別な呼び名へと結実します。当時10代前半の本郷奏多にとって、大人のカリスマアーティストであるGACKTは恐れ多い存在になり得るところですが、GACKT自身の底抜けの優しさがその壁を瞬時に打ち砕きました。
本郷は当時の公式インタビューや後のテレビ特番において、現場で自然とGACKTを「お兄ちゃん」と呼ぶよう促され、撮影が終わってからもずっと親愛を込めてそう呼び続けている事実を告白しています。また、同作で共演したHYDEのことも「おじちゃん」ではなく特別な敬愛を抱いて接するなど、GACKTとHYDEという日本のロック界の二大巨頭から同時に寵愛を受けた稀有な少年時代を過ごしました。
二人の実質的な年齢差は約17歳に及びます。親子であっても不思議ではない年齢差でありながら、上下関係の厳しい芸能界において「兄と弟」という精神的な距離感を維持し続けた背景には、本郷の成熟した知性と、GACKTが後輩に対して見せる極めて誠実なリスペクトがありました。本郷が成長して20代、30代を迎えても、GACKTからの着信には襟を正しつつ、甘えと敬意が同居したトーンで応じるというエピソードは、ファンの間でも語り草となっています。