宇宙世紀のハロが「少年たちの日常の残滓」であったのに対し、2000年代以降のアナザーガンダムにおいて、ハロはキャラクター同士の絆を繋ぐエモーショナルな触媒へと進化を遂げました。その代表格が『SEED』と『00』におけるハロの描写です。
『機動戦士ガンダムSEED』におけるガンダムSEEDラクスのピンクハロ(通称ピンクちゃん)は、主人公キラ・ヤマトの親友でありライバルであるアスラン・ザラが、許嫁であったラクス・クラインのために自作して贈ったプレゼントでした。手先が器用でメカニックの天才でありながら、口下手で感情表現が極端に不器用なアスラン。彼がラクスに対して言葉で伝えられない好意や誠意を、すべてハロの製作に注ぎ込んだという背景があります。
ピンクハロはラクスのお供として常に抱きかかえられ、開閉式ボディで飛び跳ねながら「ラクス、オナカイタイ?」「ハロ、オハナシ」とさえずることで、歌姫として完璧な振る舞いを求められていたラクスの張り詰めた心を解きほぐす精神的アンカーとなっていました。アスランがその後も色違いのハロを次々と作り続け、ラクスの部屋がハロで埋め尽くされていくコミカルな描写は、彼の生真面目さと歪な情愛を雄弁に物語っています。
一方、戦術的パートナーとしてファンの涙を絞ったのが、ガンダム00ハロとロックオンの絆です。『機動戦士ガンダム00』におけるソレスタルビーイングのハロは、もはや単なるペットではありません。高性能演算プロセッサを備え、ガンダムデュナメスやケルディムガンダムのサポートコ・パイロットとしてコックピットに鎮座しました。
初代ロックオン・ストラトス(ニール・ディランディ)が超長距離狙撃を行う際、機体の姿勢制御やGNフルシールドの展開、背後からの敵機接近の警戒を完璧に代行したのがオレンジ色のハロでした。ファーストシーズン第23話、GNアームズから放り出され、死期を悟ったニールが宇宙に漂う中、コックピットに残されたハロが叫び続けた「ロックオン、ロックオン… ロックオン、ロックオン…」という悲痛な電子音声のリフレインは、アニメ史に残る屈指の名シーンとして今なお語り継がれています。冷徹なプログラムであるはずのハロが、相棒の生命反応消失に抗うかのように名前を連呼する姿は、道具を超えた魂の共鳴を感じさせました。