中小企業庁が発表した最新データによれば、国内企業の平均経営者年齢は依然として上昇傾向を辿り、70歳以上の社長が占める割合は過去最高水準を更新した。黒字経営でありながら後継者がいないという理由だけで暖簾を畳む「大廃業時代」の足音は、もはや遠くの出来事ではない。現場の社長たちに本音を質すと、一様に口をそろえる。「まだ自分以上の判断ができる若手がいない」「会社は自分の命そのものだ」と。
経済のデジタルシフトや急速な市場変化に対応しなければならない局面で、高齢経営者が引退を踏みとどまる背景には、事業承継の仕組み自体の複雑さもある。経営の舵取りだけでなく、個人保証や多額の自社株対策といった実務的ハードルが立ちはだかる。結果として「後回し」にされた事業承継問題が、致命的なタイムリミットを迎えているのが現実だ。