長年、NHKおよびNHK Eテレで夕方の顔として愛され続けてきた本作。子ども向けアニメという表の顔を持ちながら、大人の観客をも唸らせる重厚な人間ドラマを並行して描き続けてきた実績は圧倒的だ。忍者アニメというジャンルの伝統を守りつつ、多様なキャラクターの心理描写を深く掘り下げてきた手法は、日本のアニメーション産業全体を見渡しても極めて稀有な成功例として挙げられる。
敵味方の境界線を曖昧にし、生存と倫理のはざまで揺れる人間模様を描き出した雑渡と伊作のドラマは、放送回を重ねるごとに視聴者の層を広げていった。長年の歴史を持つ公共放送での丁寧な蓄積があったからこそ、この二人の絆は普遍的な物語としての強度を獲得したのだ。