彼の音楽人生の決定的な転機となったのが、伝説的バンド「アリス」の結成である。1970年代初頭、ラジオ番組での出会いをきっかけに堀内孝雄や矢沢透と意気投合し、1971年にグループを結成。当時の音楽シーンで主流だったフォークソングの叙情的なメロディに、ロックの力強いリズムと先進的なアレンジを融合させたサウンドは、若者たちを中心に爆発的な支持を集めた。
アリスの登場は、それまでのフォークソングの概念を大きく拡張し、後のニューミュージック運動へと繋がる大きな潮流を生み出した。谷村の情感豊かなボーカルと堀内孝雄のソウルフルな歌声のツインフロントは唯一無二の魅力を放ち、ミリオンヒットを連発。音楽業界全体に革命的なインパクトを与えたバンド活動は、日本のライブ文化の基礎を築き上げたといっても過言ではない。