完璧に見えた完全犯罪の前に立ちはだかったのが、偶然会場を警備していた古畑任三郎でした。古畑は現場に残された微細な違和感――不自然な位置にあったハンガーの向きや、メンバーの些細な発言の食い違い――から、これが単なる自殺ではなく他殺であること、そして犯行が複数人による組織的なものであることを見抜きます。
物語の白眉は、古畑によるメンバー個別への心理的アプローチです。リーダーとして全体を俯瞰する中居、冷静沈着を装いながら論理的に対峙する木村など、それぞれのパーソナリティに合わせた揺さぶりをかけていきます。
そして迎える結末。古畑が突きつけた決定的な証拠により、追い詰められた5人は逃れられない状況へ。誰か一人が罪を被ろうとするメンバーたちに対し、古畑は「仲間を庇う気持ち」そのものが皮肉にもアリバイを崩す決定打となったことを告げます。静かに手錠を受け入れ、警察車両へと乗り込むラストシーンは、切なさと美しさが同居する名場面として語り継がれています。