谷中霊園は政治家だけでなく、日本の近代文化や芸術を切り拓いた文豪・画家・芸能のレジェンドたちが数多く眠る地でもあります。
日本画の近代化に生涯を捧げ、富士山や気迫あふれる水墨画の名作を残した巨匠・横山大観の墓は、静謐な木立の中にひっそりと佇んでいます。質素ながらも凛とした空気が漂う佇まいは、大観の芸術に対するストイックな姿勢を映し出しているかのようです。
映画界からは、昭和の銀幕を華麗に彩った大スター・長谷川一夫の墓が参拝者を迎えます。美空ひばりと並び第1回国民栄誉賞を受賞した稀代の名優であり、歌舞伎から映画、舞台まで圧倒的な人気を誇った彼の墓石の前では、今なお往年のファンが手を合わせる姿が見られます。
その他にも、小説家の円地文子や獅子文六、近代彫刻の先駆者である朝倉文夫など、日本の美と文学を支えた先人たちの墓が園内各所に点在しており、文化史を紐解く散策には事欠きません。