気候変動に伴う大型台風の常襲や高潮被害に対し、固定式の護岸設備だけに頼る防潮対策は限界を迎えている。そこで脚光を浴びているのが、海面の上下動に合わせて柔軟に水位を追従する防災型フロート防波堤だ。
津波や高潮が発生した際、水圧を適度に逃がしながら波浪を減衰させるこの新技術は、沿岸部のインフラ崩壊を防ぐ切り札として期待が高い。固定されたコンクリート壁とは異なり、水流を完全に遮断しないため、生態系への悪影響を大幅に減らせるのも特筆すべき点だ。高知県や静岡県の沿岸部では、既存の防波堤を補強・代替する形で実証実験が急速に進められている。