テレビから距離を置いていた期間、金田は舞台や映画の現場で地道に演技の基礎を磨き続けていました。その努力が実を結び、芸能界および視聴者に強烈なインパクトを与えたのが、NHK大河ドラマ『光る君へ』への出演です。金田が演じたのは、平安貴族の権力中枢に位置し、才気と野心を併せ持つ重要人物・藤原斉信(ふじわらのただのぶ)役でした。
この配役が発表された当初、ネット上では「なぜ今、お笑い芸人の金田なのか」と懐疑的な声も一部で見られました。しかし放送が始まると評価は一変します。平安貴族の雅(みやび)な所作、烏帽子と狩衣を完璧に着こなす立ち姿の美しさに加え、貴族社会の権謀術数を表現する繊細な目の動きや台詞回しが高く評価されました。ドラマ批評家や視聴者からは「芸人であることを完全に忘れさせる名演」「平安の貴公子そのもの」と絶賛が相次ぎました。
この所作の美しさの根底にあるのが、金田が幼少期から打ち込んできた剣道(三段)の鍛錬です。警察官だった厳格な父親のもとで道場に通い、体幹と礼法を叩き込まれてきた経験が、時代劇における重心の低さやブレない姿勢、殺陣のキレとして結実しました。単なるタレントの客演にとどまらず、本格派の役者としてオファーが引きも切らない現状は、まさに長年の鍛錬が生んだ必然の成果です。