映画に奇跡のような生命力を吹き込んでいるのが、当時わずか6歳だったルーマニア出身の少女カティンカ・アンタルーだ。彼女の見せる表情や言葉のつっかえ、無邪気な笑顔は、演技の枠を超えた純度の高いリアリティを持っている。
ターセム監督は、彼女に「ロイを演じるリー・ペイスが実際に歩けない」と信じ込ませた状態で撮影を進めたという。病室で交わされる二人のやり取りには、計算された演出では決して生まれない、生の感情が宿っている。大人の絶望と子どもの無垢さが交差する瞬間、スクリーンには演技を超えた尊い「真実」が立ち現れる。