黒柳徹子は、これまで一度も結婚届を提出したことがない。いわゆる「生涯独身」である。しかし、それは彼女が人を愛さなかったことを意味しない。むしろ逆だ。形だけの夫婦関係や同居という枠組みに拘泥せず、お互いの自立を尊重する独自の恋愛観を貫いてきたからにほかならない。
若い頃から自分の足で立ち、自身の仕事と使命に全力で向き合ってきた。結婚によってどちらかの人生や個性を制約するような関係を嫌い、お互いを高め合える距離感を求めたのだ。世間が求める「妻」という役割に自分をはめ込むことなく、一人の自立した人間として生きる姿勢。それこそが、彼女が選んだ人生の美学であった。