カレー研究の第一人者として知られる水野仁輔氏は、この現象を日本のカレー史における重要な転換点と位置付ける。「かつてのスパイスカレーは、本場インドやスリランカのスパイス構成をいかに表現するかが主眼でした。しかし、この一皿は日本独自の『酸味』と『出汁の旨味』をスパイスと完全に融合させている。梅干しのクエン酸がスパイスの油分を切り、舌の味蕾を刺激して旨味を強調する効果が見事に計算されています」と分析する。
同氏の解説通り、重たくなりがちなカレーの食後感を梅のさわやかさがクリアにするため、何度でも食べたくなる「中毒性」が生まれているのだ。