伝説の恋愛漫画『I"s(アイズ)』における屈指の名シーンを語るうえで外せないのが、高校の「新入生歓迎会実行委員」として二人の距離が急接近する初期の場面だ。想いを告げられないまま二人きりの部室で作業を進める緊張感、そしてふとした瞬間に交わされる視線。あの静寂の中の空気感こそが、すべての物語の原点であった。
特に読者の語り草となっているのが、海辺での切ないすれ違いや、終盤のマンションの一室で繰り広げられる究極の告白シーンだ。素直になれず、誤解を重ね、遠回りし続けた瀬戸一貴と葦月伊織。自らの弱さをさらけ出し、相手の存在すべてを受け入れようとする一貴の決意と、それに応える伊織の涙は、読む者の心を強く揺さぶる。心揺さぶる名言とともに刻まれたそれらの感動の記憶は、何年経っても決して色あせることがない。