日本国内におけるマッチングアプリの普及は目覚ましいが、その波は独身層だけにとどまらない。既婚者専用マッチングサービスという特異なジャンルがひとつの巨大市場を形成し、HealmateやCuddleといった競合サービスが次々と台頭してシェア争いを繰り広げている。
その先駆けとして知られる「既婚者クラブ」を運営するのが、株式会社クリオネだ。Webブラウザ完結型のシステムを採用し、スマートフォンのホーム画面にアプリアイコンを残さない仕様など、既婚者特有の秘匿ニーズを巧妙に捉えた設計で会員数を伸ばしてきた。同社はプラットフォームの透明性と安全性をアピールするが、ユーザー数の爆発的な増加にモデレーションや本人確認の厳格化が追いついていないのではないかという懸念も業界関係者から上がっている。
競争が激化する市場の中で、各社は「安心・安全」を前面に押し出す。だが、秘匿性を売りにするビジネスモデルそのものが、悪意を持った第三者や詐欺グループの格好の隠れ蓑になりやすいという構造的矛盾を抱えている。