知能犯罪を追う警視庁捜査二課が本格的な捜査に乗り出したことで、地面師グループの緻密な工作が次々と白日の下に晒された。偽造書類の精度、なりすまし役の入念な演技、さらには法律の隙間を突く巧妙な手順まで、プロの犯行手口は極めて計算されたものだった。
しかし、捜査が進むにつれて明らかになったのは、警察の捜査対象となった犯罪者側の狡猾さだけではない。積水ハウス側の社内審査が、あまりにもスピード優先に偏っていた事実だ。他社との獲得競争に勝つため、稟議を異例の速さで通過させた営業部門の独走を、法務やリスク管理部門が止められなかった。この組織的な不全が、犯罪者グループに格好の狙い目を与えてしまったのだった。