原作者の諫山創は、ジークという人物に単一の善悪基準を当てはめなかった。マーレ帝国の洗脳工作、エルディア復権派の父グリシャによる過度な期待、そして密告者として両親を告発せざるを得なかった幼少期の選択。彼の歩んだ道には、常に選択肢のない残酷な現実が横たわっていた。
敵国マーレの「頼れる戦士長」としての顔と、内なる復讐心を秘めた策士としての顔。複数の役割を演じ分けることでしか生き延びられなかった孤独な人生は、物語に圧倒的な奥行きを与えている。ジークの生き様は、過酷な世界で生きる人間の業と葛藤を見事に体現していた。