喉の奥に位置する咽頭粘膜は、外部から侵入するウイルスや細菌をブロックする第一線の砦だ。この粘膜表面は非常に繊細な粘液層で覆われており、さらに口内には無数の「口内常在菌」が生息している。これら善玉菌とも言える常在菌群は、悪質病原体の繁殖を物理的・化学的に抑え込む重要な役割を果たしている。
ところが、洗浄を過剰に繰り返すと、この貴重な口内常在菌まで根そこぎ洗い流されてしまう。それどころか、水の摩擦や過剰な刺激によって咽頭粘膜そのものが微細な傷を負い、乾燥が加速するのだ。バリアを失った喉は無防備な状態に陥り、かえってウイルスが侵入しやすい環境が完成してしまう。防壁を自ら取り壊しているようなものである。