「痛みがないから大丈夫」と自己判断してしまうのは禁物です。金玉がぶら下がる病気の中には、自覚症状が乏しいまま静かに進行するものがあります。
特に注意すべき代表的な疾患は以下の通りです。
・精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)
精巣から心臓へ戻る静脈の弁が壊れ、血液が逆流して陰嚢内の血管がコブのように腫れ上がる病気です。一般男性の約15%、男性不妊外来を受診する男性の約40%に見られます。左側の精巣に発症しやすく、「左側だけやたらと垂れ下がる」「触ると血管がミミズ腫れのようにボコボコしている」「夕方になると重だるい鈍痛がある」といった自覚症状が特徴です。静脈血のうっ滞によって局所の温度が上がり、精子の数や運動率を低下させるため、男性不妊と精索静脈瘤は極めて密接な関係にあります。
・陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)
精巣を包む膜(腹膜鞘状突起・精膜)の間に体液が異常に溜まり、陰嚢が風船のように大きく膨らむ疾患です。痛みを伴わないケースが多く、徐々に肥大化して垂れ下がります。触ると弾力があり、暗い部屋で下からペンライトなどの光を当てると赤く透けて見えるのが簡単な見分け方です。
・鼠径ヘルニア(脱腸)
本来はお腹の中にある腸の一部が、足の付け根(鼠径部)の隙間から陰嚢内へと滑り落ちてくる状態です。立ち上がったり腹圧をかけたりすると金玉が異様に膨らみ、横になると引っ込む特徴があります。