ネット上の情報では「近江町市場=どこも同じ海鮮丼屋」とひとまとめに語られがちですが、ここには決定的な誤解が存在します。
近江町市場の1階店舗の多くは、スピーディーな回転率を重視した丼専門店であり、酢飯の上に切り身を豪快に並べるスタイルが主流です。しかし、2階に位置する旬彩和食 口福は、椀物、小鉢、煮物、焼き物まで一貫した日本料理の体系に基づいたメニュー設計がなされています。
単に「ネタの厚さや派手さ」を競うのではなく、米の炊き加減、醤油の調合、のどぐろの皮目につける絶妙な火入れの深さなど、細部に職人の矜持が宿っています。この違いを理解せずに「ただ早く安く海鮮を胃袋に入れたい」という目的で訪れると、待ち時間や価格設定に対してミスマッチを感じる原因になりかねません。