三千院は、比叡山延暦寺を開いた伝教大師・最澄が比叡山東塔の梨本坊に草庵を結んだことに始まる天台宗の門跡寺院です。門跡寺院とは、皇族や摂関家の子弟が代々住職を務めた格式高い寺院を指します。度重なる移転を経て、明治維新後の1871年(明治4年)に現在の京都・大原の地へ本坊が移され、寺名も「三千院」と改称されました。
大原は平安時代から貴人や仏教修行僧が世俗を離れて隠棲した「祈りと静寂の里」として知られています。豊かな水と深い森に囲まれたこの地で、三千院は千年の時を超えて仏教文化と雅な公家文化を今に伝えています。境内に足を踏み入れると、石垣に囲まれた重厚な御殿門が参拝者を迎え、一瞬にして俗世の時間を忘れさせてくれます。