神護寺を語る上で欠かせないのが、日本肖像画の最高峰と謳われる国宝「伝源頼朝像」だ。漆黒の衣装に身を包み、鋭い眼光でこちらを見つめる姿は、鎌倉幕府を開いた偉大な武将・源頼朝の象徴として教科書等でも親しまれてきた。
近年の美術史研究では、この肖像画の被伝者を巡り活発な論争が続いている。文化庁による最新の学術調査や修復事業を通じ、使用された絵の具の解析や絹本の科学分析が進められており、制作年代や作者に関する新たな解釈が提示されている。古典的な仏教美術の範疇を超え、歴史のミステリーとしても人々の好奇心を刺激し続けている。