球界を激震が襲ったのは2019年オフのことだ。FA移籍の人的補償として、広島東洋カープへの移籍が決定。長年チームの顔として君臨したスターの突然の移籍劇に、ファンは言葉を失った。しかし、誰よりも前を向いていたのは本人だった。「選んでいただいたことに感謝したい」——その一言とともに、彼は赤いユニフォームに袖を通した。
広島での対応は圧巻の一言に尽きる。慣れ親しんだ背番号「7」ではなく若い背番号を選び、若手主体のチームにそっと寄り添った。マツダスタジアムで放たれた一発に歓喜した広島ファンは、彼がどれほど誠実に野球と街に向き合っているかを知る。敵地だった広島は、あっという間に彼を温かく包み込む第二の故郷となった。