辞書といえば分厚い紙の冊子を連想するが、現代ではWebデータベース「JapanKnowledge」などを通じたデジタルアクセスが不可欠な存在となった。研究者や執筆家にとって、検索一発で複数辞書を横断検索できる利便性は計り知れない。
しかし、紙の辞書が持つ価値が消えたわけではない。ページを繰る過程で偶発的に未知の言葉と出会う「ブラウジングの体験」は、デジタル検索では得がたい知の刺激だ。出版業界においては、デジタルでの定額利用と、重厚な装丁を持つ紙の所有権という二極化が進み、互いの強みを引き立てあう共存の道が模索されている。