かつての西口を知る人が今の街並みを見たら、一瞬どこにいるのか分からなくなるかもしれない。リットシティビルを中心とした近代的なインフラ整備に加え、近年相次いで完成した複合開発ビルが街のシルエットを大きく変えた。高層階には国際基準を満たすホテルやサービスアパートメントが入り、中層階にはIT企業やスタートアップのオフィスが集積している。
「以前は新幹線に乗る直前に通過するだけの場所でした。でも今は、商談も滞在もすべて西口で完結します」。そう語るのは、東京と岡山を毎週往復するIT企業の役員だ。ペデストリアンデッキで直結された歩行者空間は天候に左右されず、ストリートカフェやオープンパティオにはノートPCを開くノマドワーカーや歓談する外国人観光客の姿が目立つ。単なる交通の通過点から、人が留まり交流する「目的地」への転換。それこそが、この数年で起きた最大の地殻変動だ。