King Gnuの歩みを語る上で欠かせないのが、キングヌー 前身バンドである「Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)」の存在です。
もともとSrv.Vinciは、常田大希のソロプロジェクト的な色彩が強い実験的音楽集団でした。東京藝術大学音楽学部器楽科でチェロを専攻していた常田を中心に、メンバーの流動的な交代を経て、現在の4人が揃うことになります。
キングヌー 結成の経緯における4人の出会いは、まさに異なる音楽的エリートたちのケミストリーでした。
- 常田大希(Vo, Gt, Producer):長野県伊那市出身。東京藝術大学チェロ専攻中退。小澤征爾主宰のアカデミー参加歴を持つ圧倒的な音楽理論とストリート感覚の融合者。
- 井口理(Vo, Key):常田と同じく長野県伊那市の出身(小中学校の幼馴染)。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。美しいテノールボイスと大衆を引き込む表現力を持つ。
- 新井和輝(Ba):ジャズやブラックミュージックをルーツに持ち、多くの現場でスタジオミュージシャンとして活躍していた凄腕ベーシスト。
- 勢喜遊(Dr, Sampler):両親がミュージシャンという環境で育ち、幼少期からブラックミュージックやダンスに親しんだ圧倒的グルーヴを誇るドラマー。
常田がドラムの勢喜とセッションバーで出会い、勢喜の紹介でベースの新井が加入。最後に、唯一無二のハイトーンと表現力を持つ幼馴染の井口理をボーカルに据えることで、2015年に現行メンバーの布陣が完成しました。
そして2017年4月、フジロックフェスティバルの「ROOKIE A GO-GO」への出演決定を契機に、バンド名を「Srv.Vinci」から「King Gnu」へと改名します。このSrv.Vinci 改名理由について常田は、「より開かれた場所へ打って出るため」「大衆に届くJ-POPのフィールドで勝負するため」と明言しています。マニアックな前衛音楽から、誰もが口ずさめるポップスと過激なアヴァンギャルドを両立させるための戦略的な転換点でした。