物語の核心をなすのは、主人公である瀬崎愛莉と花迫ひよりの関係性だ。一見すると、クラスの派手なグループに属する愛莉と、控えめでおとなしいひよりという対極の二人。しかし、放課後の誰もいない教室で交わされる秘密の儀式が、二人の立場を奇妙に逆転させる。
愛莉が求めるのは、自らの身体を「きたなく」汚されることによる精神的な安らぎ。一方、ひよりは愛莉を汚し、虐げることでしか満たされない強い承認欲求と加害愛を抱えていた。互いの歪んだ欠落が完璧に噛み合ってしまったことこそが、彼女たちの悲劇の始まりであり、終わりの始まりでもあった。
物語が終盤に向かうにつれ、二人の依存は日常を蝕み、周囲の人間関係をも巻き込んで破滅へと加速する。衝撃の結末において提示されたのは、社会的な倫理や救済を拒絶し、二人だけの閉じられた世界で完結する究極の執着だ。なぜ彼女たちは引き返せなかったのか。それは、互いなしでは自らの存在理由を証明できない極限状態にまで追い詰められていたからにほかならない。