日本国内で潰瘍性大腸炎という病名が広く知れ渡る大きな契機となったのが、安倍晋三元首相の闘病の経緯です。安倍氏は成蹊大学在学中の17歳頃に初めて発症し、政治家としてのキャリアを通じて断続的な腹痛や血便に悩まされ続けていました。
2007年の第1次内閣退陣時には、持病の急激な悪化による体調不良が直接的な要因となりました。当時は「責任放棄」といった厳しい政治批判も浴びましたが、後に新薬であるアサコール(メサラジン製剤)の登場によって病状を劇的にコントロールできるようになり、2012年の総裁選を経て奇跡的な政権復帰を果たしました。
2026年には再燃によって再び退陣を余儀なくされたものの、長期政権を支えた医学的アプローチと病気のリアリティは、多くの国民に「指定難病を抱えながらでも国のトップとして激務を全うできる」という前例を強く印象づけました。