ミリタリーウェアをルーツに持つA-2ジャケットといえば、本家米軍納入メーカーであるエアロレザーやラフウェア、アヴィレックスなどの名が真っ先に挙がります。その中にあって、メイン州発祥のアウトドアカンパニーであるL.L.Beanが手がけたA-2が、なぜこれほどまでに特別なポジションを築いているのでしょうか。
最大の理由は、「本格的なミリタリースペック」と「日常着としてのアウトドアスペック」の奇跡的な融合にあります。本来の軍用A-2は、狭いコクピット内での引っかかりを防ぐためにフラップポケットのみでサイドエントリー(ハンドウォーマーポケット)は存在しません。しかし、L.L.Beanのモデルはフロントのフラップポケット脇に手を差し込めるサイドポケットを備えており、街着としての快適性を劇的に向上させています。
さらに、多くのモデルには高機能断熱素材である3M社のシンサレート(Thinsulate)中綿ライニングが採用されています。真冬の寒冷地でもレザー特有の冷え込みを遮断し、抜群の保温性を発揮する仕様は、過酷な寒さを知り尽くしたL.L.Beanならではの設計思想です。「オリジナルの軍モノは敷居が高いが、防寒性と実用性に優れた本物のアメリカ製レザーを着たい」という現代のニーズに完璧に合致したことが、相場を押し上げる大きな原動力となっています。