主演を務めた嵐の大野智。彼の圧倒的な存在感なくして、このドラマの成功は語れない。
投げやりで愛想がなく、どこか冷めた目をした矢野健太というキャラクターは、当時の王道アイドルドラマの主人公像とは完全に一線を画していた。ボサボサの髪にスウェット姿で部屋に閉じこもるダメ男が、渋々黄色い衣装に身を包み「歌のお兄さん」へと変貌を遂げていく姿。
大野の持つ類稀なコメディセンスと、ふとした瞬間に魅せる圧倒的な歌唱力・表現力のギャップ。それまでアイドルに興味がなかった層をもテレビ画面に釘付けにした。哀愁と滑稽さを同居させる彼の演技は、2026年の現在振り返ってもなお、唯一無二の光を放っている。