本作の最大の熱源となっているのが、主演の林遣都をはじめとする実力派キャスト陣の振り切ったパフォーマンスだ。日常の鬱屈とくだらない自尊心に縛られた主人公・国吉淳を、林遣都が凄まじい熱量で演じ切っている。クリーンな好青年のイメージを脱ぎ捨て、プライドだけが高く行動を起こせないモラトリアム男子の滑稽さを全身で表現した演技は圧巻だ。
その悪友となる吉村達也役の柳俊太郎、高杉誠役の前野朋哉とのトリオ感も抜群の化学反応を生み出している。クールを装いながらも自己評価の低さに苦しむ吉村と、気弱で流されやすい高杉。この3人が揃った時に生まれる、どこかズレた会話劇と情けない脱・童貞作戦は笑いを誘わずにはいられない。
過激な下ネタとナンセンスなギャグが連続する本作だが、彼らの痛々しいほどの必死さは、観客に不思議な愛おしさを抱かせる。日本映画の枠組みにおいて、ここまで泥臭く「男の惨めさ」に向き合った青春コメディは極めて異彩を放っている。