和歌山毒物カレー事件の真相が今なお議論を呼ぶ背景には、決定的な直接証拠の不在があります。林真須美死刑囚が毒物を混入する瞬間を見た人物は一人も存在しません。
有罪認定の大きな柱となった「ガレージで見張り番をしていた林死刑囚が、カレー鍋のフタを開けて不審な動きをしていた」という目撃証言についても、複数の疑問符が投げかけられています。当時の女子高生の証言は捜査段階で変遷しており、鍋の前にいた時間や行動の詳細に食い違いが見られました。誰も混入の現場を目撃しておらず、指紋などの物証も存在しない中で下された死刑判決は、日本の刑事司法における状況証拠主義の危うさを示す事例として法曹界でも検証が続いています。