なぜ「Love you」ではなく「Love me」が先に来るのか。ここに大森元貴の人間観察の鋭さが光る。心理学的な視点からも、自分自身を愛し受け入れることができて初めて、真に他者を尊重し愛することができるとされる。自尊感情の芽生えなくして、他者との健全な関係構築はあり得ない。
一方で、この表現には「自分を愛してくれ」と他者に救いを求める切実な叫びのニュアンスも滲む。誰もが主人公でありたいと願いながらも、同時に誰かの物語のエキストラであることを自覚せざるを得ない現代。そうした迷いや葛藤を抱えたままでいいのだと、楽曲は優しく寄り添ってくれる。