日本テレビ主導で制作された『セクシー田中さん』のテレビドラマ企画は、放送当初から高い注目を集めていた。だが、画面の裏側では原作者である芦原妃名子氏とテレビドラマ制作チームとの間で、致命的なコミュニケーションの齟齬が生じていた。芦原氏は「必ず原作に忠実であること」「改変が必要な場合は事前に原作者の了承を得ること」を契約前提として強調していたが、現場への不徹底が不信感を決定的なものにした。
漫画のドラマ化において、尺や構成の都合から変更が生じること自体は珍しくない。しかし、キャラクターの根幹に関わる性格変更やテーマの歪曲は、創作者にとって魂を削られるような苦痛をもたらす。小学館を通じて度重なる抗議や条件の提示が行われたものの、意思疎通のパイプは細く、土壇場まで混乱が続く異例の事態となった。