長谷川が地上波を追われた2010年代半ば、大手テレビ局の権威はまだ揺らぎないものに見えていた。だが2026年現在の景観はまるで異なる。若年層のテレビ離れは歯止めがかからず、広告費のインターネットへの流出は決定的なものとなった。かつてテレビ局が独占していた情報発信のプラットフォームは完全に解体されたのだ。
かつて「テレビから追放された者」たちがYouTubeやSNS、ポッドキャストなどの自前メディアで数万人、数十万人のフォロワーを獲得し、既存メディア以上の直接的な発言権を持つ時代がやってきた。テレビの衰退と個人メディアの躍進というこの地殻変動は、彼の歩んできた波乱の道筋と奇妙な形で同期している。