美空ひばりの音楽的キャリアを語る上で欠かせない存在が、昭和の音楽史に燦然と輝く作曲家・服部良一である。二人のタッグが生み出した数々の名曲には、当時から洗練されたコード進行と緻密なオブリガートが組み込まれていた。
今回の音源制作にあたり、当時のレコーディングスタジオで録音された貴重な会話テープや手書きスコアが精査された。関係者が明かした演奏秘話によれば、ひばりはピアノの一音一音のニュアンスに対して極めて鋭い感性を示し、ブレスのタイミングとピアノの減衰音を完璧に同期させていたという。その極限のセッションが生み出した緊張感が、今回の現代的トラックメイクによって鮮烈に蘇る。