発祥の物語は有名だ。名物「台湾ラーメン」を作ろうとした店主が、試作した具材のひき肉がスープに合わず、捨てようとした。そこへ当時のバイトスタッフが「茹でた麺にかけてみたら?」と声をかけた。この気まぐれなひらめきが、日本の汁なし麺の潮流を根底から変えてしまったのだから、食の世界は面白い。
抗えない中毒性の正体は、味覚の重層構造にある。動物性の豚脂、魚介のイノシン酸、醤油のアミノ酸、そしてニンニクのアリシン。これらが渾然一体となり、舌の受容体を一気に埋め尽くす。刺激的でありながら、どこか安心感を覚える甘辛い輪郭。一度ハマれば、数日後にはまたあの刺激を舌が求めてしまうのだ。