ユニットのサウンドデザインを全面的に指揮したのが、音楽プロデューサーの小林武史だ。当時の所属事務所・プロダクションである烏龍舎の中心的拠点において、彼の構築する音楽世界は常に先進的だった。シンセサイザーのレイヤー技術、複雑なコード進行、そして静と動を鮮やかに対比させる展開。キーボーディストとしての高度な理論とポップセンスが、ユニットの骨格を形作った。
レコーディング現場でのエピソードは伝説的だ。一音の打鍵、ヴォーカルの微小なニュアンスの違いにすら数時間を費やす妥協なきセッション。小林武史の厳格なディレクションに対し、akkoは直感的な表現力で応え、藤井謙二は洗練されたフレーズでアンサンブルを補強した。その後、レーベルをエイベックスへと移籍してからも、この時期に培われたクリエイティブ精神は作品の根底に深く息づいている。